こんにちは、ツバキです。
11月に入って、兄の遺体が警察から戻って来たので納骨することができました。
これでやっと弔うことが出来ましたのでホッとしています。
今回は、独り暮らしをしていた故人の火葬と死後の手続について、少しでも誰かのお役に立てればと思い記事にしました。
独り暮らしといっても人それぞれのスタイルがありますが、離島で交通も不便な辺鄙な地域という条件がある中での、3泊4日の実体験です。
目次
一人で火葬(直葬)の手続きをして見送る
今回、火葬に当たっての手続きは葬儀社に依頼したものではなく、自身で役場に出向き行いました。
葬儀、葬式を依頼すると手続きは葬儀社で行って頂ける所も多いと思いますが、火葬のみの場合地域によって違うのかもしれません。
警察署へは、前日の午後、死体検案書(死亡診断書)の受け取りと同時に状況説明も伺いました。
役場で死亡届と死体検案書(死亡診断書)を提出し、火葬(埋葬)許可書を頂きます。
その際、今後やらなくてはならない手続きについても色々教えて下り、書類のコピーまでしてくださいました。
こんな時、「田舎は本当に親身になってくれ親切だなあ」と心から感謝致しました。
死体検案書(死亡診断書)や火葬(埋葬)許可書はコピーが必要なのですが、これも警察署の方や役所の方が全て整えてくださり助かりました。
田舎には、コンビニやコピー機をおいている場所が殆どないので、とてもありがたかったです。
実際にやってみて分かった事は、文章や誰かに聞いた話と言ったものではなく、体験したことなので本当に大変だと思いました。
思っていたように上手く行かず、戸惑うことも多くあり、関係者の方に色々助けていただきましたし、一人でやってはいけないと感じました。
私の場合地方でしかも離島、交通の便も良くないことから、全ての事柄を一度に済ませることが重要だったのです。
色々なことが手早く行われ、助け合いを強く感じました。
3泊4日は長いように思うかもしれませんが、何度も足を運ぶことは体力的にも、金銭面においてもかなりきついです。
火葬を済ませ2週間の間に手続きしなくてはなりませんから、行ったり来たりすることは大変なことなんですよ。
実際に見送りや手続きに要した日数は2日間くらいと思いますが、やることが他にも色々とありまして、本当に一人では大変です。
都会ではどんな感じなのか分かりませんが、”田舎”というイメージから火葬場という場所は怖さを感じるところかと勝手な想像をしていました。
でも、時代は進んでいることを実感し、見送る側としても少し安心したのを覚えています。
火葬場へは、葬儀社の方が警察署から社の車で搬送されました。
かなり酷い状態だったにも関わらず快く引き受けてくださいました。
葬儀社の方にしてみれば当然なのですね、「亡くなった状況や状態は関係ないですよ。」とのお言葉をいただきました。
感謝でいっぱいです。
火葬場では二人の火夫さんに丁寧に取り扱われ、お骨を拾うときも一人でしたので手伝ってくださいました。
穏やかに、淡々と、作業をされていましたが、優しく暖かさを感じました。
今は火夫さんって顔を隠すことは無いのですね。
帽子もかぶらずマスクのみで作業をされていましたが、一人の方が坊主頭だったので見入ってしまいました。
ちょっと失礼でしたよね。^^;
葬儀の手順やマナー、葬儀後の手続きと届け出、さらに相続の基本知識までを解説
火葬が終わるのに一時間半、待ち時間をどう過ごせばよいのか複雑な思いでした。
しかし、葬儀社の方が最後まで側にいてくださり、若い方でしたけど心強かったです。
こんなときって一人は不安ですよね。
恐れや悲しみ、寂しさが込み上げてきて、涙が止まらなくなることもあるのではないでしょうか。
私の場合、遺体が帰ってくるまでに時間がありましたから、兄弟姉妹と色々話し合う時間もあり、どうすべきかも心得ていたのですが、やはりその場に立たされると思うものが込み上げてくるものですね。
故人が亡くなるまでの、私が知っている限りの想い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡ります。
ですが、故人のことを考えますと苦しいことや辛いこと、嫌な思いをすることがこれからは無くなるのですから、「楽になってよかったね」と気づきました。
悪い意味ではありません。
若いときは、都会で何不自由無く暮らしていた人が、歳をとってから離島での田舎暮らしが簡単に出来るとは思えなかったのです。
病んだ身体で、何も持たない状態で、年金暮らしがそんなに続くとは・・・ね。
費用についてですが、解剖やDNA鑑定が行われていることから、かなりの出費が必要かと思っていたんです。
ですが、死因を明らかにできなかったこと、身元の確定に時間を取りすぎたことなどから国費扱いになりました。
死体検案書(死亡診断書)は、通常通りかどうかは分かりませんが、大学教授の検案ということで30,000円になりました。
火葬許可書(埋葬許可書)は12,000円
火葬に関しては葬儀社へ、棺(上下布団セット)、納棺用具、骨箱(6寸セット)、霊柩車、仏花束など総額146,300円の支払いになりました。
これが高いのか安いのかは分かりませんが、ほぼ相場ではないかと思います。
この金額で済ませることが出来たのは助かりましたが、金額の問題では無いと思っています。
これでやっと弔ってあげられた、故人も安らかな眠りにつくことが出来る、そう思うことのほうが強かったです。
ただ、この後直ぐやるべき手続きが控えていたので、感傷にも浸れず次の手続きに向かいました。
警察署での内容(状況)説明と対応
島に到着し、最初に伺ったのが警察署でした。
日曜日の夕方でしたが、「できれば直ぐにでも火葬してあげたい」と思う気持ちもありましたが、個人的な感情で廻りは動きません。
火葬場は年中無休ではあるようでしたが、流石に時間的な問題は解決しませんので、順序よくことを運ばせることにしました。
警察署の担当の方に面会をし、遺体引き渡しの手続きをしました。
本来は、遺体引き渡しの手続きが終了したら、そのまま葬儀社か火葬場に搬送されるそうですが、諸事情を汲み取ってくださり、明朝搬送となりました。
①死亡原因(死因)、2ヶ月以上経過した理由について
発見された時が、真夏であったことで、遺体の損傷は酷いものであったことは以前にも書きましたが、考えていた事より遥かに酷い状況だったようです。
この時の状況は、とても口に出して言えることではありませんので想像にお任せします。
独り暮らしの俗に言う孤独死なので、病気なのか自然死なのかそれとも事件なのかはっきりしないため、警察側による検案が行われました。
その結果、事件性は無いことは明らかになったのですが、病気が原因だったという確証もなく死因は特定できなかったようです。
身元の確認は、たとえ親戚や友人や近所の人であっても認められず、結局、親兄弟の鑑定をすることになりました。
本来なら父子鑑定だけで済むはずなのに、兄弟の鑑定をすることになったのです。
母は既に他界しているため、確認は取れないのですが真実だと思います。
この事があったため、2ヶ月の時間を要したのも一つの理由になりました。
身元の確認が取れたのは、家族が探し出した歯科受診時のレントゲン写真でした。
以前、心停止で運ばれた病院で見つけたそうです。
②死体検案書(死亡診断書)
たった一枚の紙切れに書かれていた死亡の内容証明には全て不詳と記載されていました。
死亡の日時もはっきり出来ず、曖昧さが表記されていました。
実際、発見当初より木乃伊(ミイラ)化状態だったようなので、たとえ親しい間柄であったとしても警察側としては認めることは出来なかったのでしょう。
仕方ないのかなとも思いましたが、死亡日が分からないのでは命日が何時になるのかさえも分からないままです。
これについては家族と相談ということになるでしょう。
③貴重品の受け取り
実家は古びた一戸建てでボロボロ状態です。
田舎ということもあり、あまり危険性は無いようですが、それでも何が起きるか分からないため貴重品と思われるものは、警察署の方で保管してくださっていました。
独り暮らしで、身内が近くにいないための措置でもあるようですね。
現金、預金通帳、クレジットカード、年金手帳、保険証、運転免許証、携帯電話、衣類一式等々を受け取りました。
警察のお世話になると、「こうやって故人の持ち物を受け取るんだなあ」って冷静に確認している自分がいました。
全て一人でやらなければ、という気持ちがあったからなのでしょうか。
その時は感情の入る隙きがなかったように思います。
火葬後に役場で行う諸々の手続き
手続きに必要なものを警察署で頂いたおかげで、その日の内に殆ど終わらせることが出来ました。
手続きには必ず死体検案書(死亡診断書)や埋葬許可書が必要になります。
・国民健康保険証の返還と喪失届
・国民年金手帳の返還
・年金払込金の返金手続き
・葬祭費の請求(2万円)と喪失届
・水道使用停止、引き落とし口座の解約による引き落とし口座変更届
・相続人代表者指定届
・未払いの保険税の支払い
ほとんど住所、氏名、続柄を記入したくらいで難しいことは何もなかったです。
必要なものは全て持参していたため、役場の方が迅速にやってくださいました。
土地柄と言えるのでしょうか、皆さんとても親切にしてくださり心配もしてくださいました。
知り合いの方が務めていらしたので少し心強かったです。
この地では一箇所で済ませることが出来ましたが、本来はそれぞれ手続きする場所(課)へ行くことになると思います。
地域によっては、役場での手続きに時間がかかるし、書類が揃っていないと言われ二度手間になる事がよくあるそうです。
役場の担当の方はよく知っているかもしれませんが、はじめての手続きに不安や迷い、間違いは付き物です。
立場が逆だったらと考えながら、もう少し親切に教えていただけるとありがたいですね。
その他の身の回りの整理
役場では出来ない手続きは、ガス、電気、電話の使用停止、携帯電話の解約、金融機関の手続きなどがあります。
・ガスも電気も電話一本で使用停止をすることは出来ますが、停止するまでの使用料金が振り込まれていなければ故人の代わりに支払う形になります。
例えば、通帳引き落としになっていたとして、10月10日①死亡原因(死因)、時期、2ヶ月以上経過した理由についてに停止したとしても、検針日が25日だとして26日から停止日の10日までは使用していたことになるので、その差額分を支払うことになります。
この差額を支払う手続きをしなくてはなりません。
・携帯電話に関しては、その機種のショップに使用者が亡くなったことの証明書を持参して出向きます。
死亡の場合、解約金は免除されるようで支払いはなかったです。
・金融機関に関しては、死亡届を提出すると凍結されることになるようです。
私の場合、そのまま解約の形になりますので、戸籍謄本を取り手続きすることになりました。
この場合、相続人代表者としての手続きが必要となり、家族全員の承諾が必要になります。
預金額は少額でも、解約するには必要事項のようです。
今回大きな問題は、自宅をどう処理するかということでした。
故人の持ち物はそれなりにあるのですが、とても手を付けられる状況ではなかったのと、どこに何があるのか重要な書類はあるのかなどは探せなかったです。
家族で相談していたことですが、「全て放棄する」ということになり、そのままの状態で引き上げることにしました。
財産と言えるものは無く、現金数千円と預金が少し、そして未払金が残っています。
未払金に関しては、後に支払うことになりますが大きな額にはならないと思います。
何者にも縛られることなく、シルバーライフをエンジョイすることは素晴らしいことだと思います。
しかし、後先考えず、自分の置かれている状況を理解すること無く、「我儘に生きる」事がその人にとって正解なのか不正解なのかは分かりません。
ただ思うことは、故人がその生き方に満足していたのなら、それが「正解」なのかもしれませんね。
最後に
一般的な葬儀と火葬のみでは規模は違いますが、故人を弔う気持ちに変わりはありません。
どんな形であっても、心のこもった見送り方はあると思います。
そして、残された最後の手続きをすることも、故人の弔い方の一つだと思います。
一般的な葬儀も火葬のみも手続きは同じです。
ただ、検死、検案に限っては手続き開始が異なってくるようです。
遺族にとって、どれをとっても大変であることに違いないので、精神的に疲労が貯まることでしょう。
一人でやろうとせず協力者を得ることをオススメします。
私には兄弟姉妹が多くいますが、皆とは遠距離で会うことは殆どありません。
疎遠になっている者もおります。
それでもお互い無事に生きている事を確認し合っています。
歳を重ねる毎に、体の自由は利かなくなり、遠くへ出掛けることも億劫になります。
病気や怪我で動けなくなった時、頼れる誰かが一人でも傍に居ることは、とてもありがたいことです。
今回、離島で独り暮らしをしていた兄が亡くなったことで、色々な思いが湧き上がって来ました。
初めての経験もさせていただきましたし、沢山の人達(関係者)に助けられ、心配りをしていただきました。
感謝でいっぱいです。
一人でやっていると見えないものも見えることもありますが、どれほど心もとなく、判断力に掛け、不安で眠れない状況に陥ったことでしょ。
二度は味わいたくないと思いました。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。